大島正二『<辞書>の発明 中国言語学史入門』読んだ。
おもしろい。
全12話。
5話、6話の『説文解字』のあたりのはなし、わくわくする。
中国、古代からの漢字に対する探求の歴史を紹介している。
前漢、方言を収集した揚雄。
後漢末、意味と音声との関わりをもとに語源をたどろうとした劉煕。
前漢元帝の時代に登場した識字テキスト『急就篇』。
そして、後漢の許慎による『説文解字』
『説文解字』は、字書。漢字の本義を説明する。部首法を採用。
その後の字書の流れを形作った。
『説文解字』の部首法は、漢字の本義を解き明かすためのもの。
検索をしやすくするためのものではない。
のちの時代になって、『説文解字』の伝統を否定した方式の字書。
遼の行均『龍龕手鑑』。漢字をひきやすいように部首を設定。その字形が含まれていれば部首とする。
金の韓孝彦・韓道昭『五音篇海』。音の順で配列。
明の神宗の時代に、『字彙』。筆画数で配列。
基幹部品の変遷で見ていく光景を思い描く。
車をエンジンの変遷で見ていく光景。
検索容易性をもちこむってどんなだ?